「昭和元禄落語心中」アニメと本物の落語家に見る芸人魂

 

梅雨があっという間に終わって、アニメ7月クールも徐々にスタートしてる今日このごろ。

アニメ作品を毎回リアルタイムで見ていない分、その場で見てる人たちと盛り上がることもできずw それでも1人色々と感じることもありーの、それを感想文みたいに伝えてみたくなりーのもあり、こういう日のために?文章として残していたりする。

暗いのは承知の上で (・_・;)

桂歌丸さんへ敬意を払いつつ

で、先日桂歌丸さんが亡くなったというニュースを見て、落語通でもない自分がまず頭に浮かんだのが今回紹介するアニメ「昭和元禄落語心中」。

「事実は小説よりも奇なり」ではないけれど、歌丸師匠の芸人魂みたいなものが、このアニメとオーパーラップするどころか、なんともかっこいいなあと思いつつ、歌丸さんが生き抜いた「落語道」みたいなものはどんなだったんだろうなあと思いを馳せてみたり。

 

という訳で、久しぶりのアニメ紹介はこの「昭和元禄落語心中」という素晴らしい作品のことを書いてみることにした。

 

この「昭和元禄落語心中」は1期、2期の2回に分けて放送されて、2期は2017年の1月クールで放送された。

(出典:YouTube KING RECORDS

 

前回アニメ紹介した「ブブキ・ブランキ」と「終末のイゼッタ」は2016年の10月クールだったので、この「昭和元禄落語心中」を境に2017年の作品紹介に移るのにもナイスタイミングかなと1人で納得してみたw

 

 

一応1期、2期、通しての感想として書いてみるけど、流れ的には2クールの長期作品として見て違和感ないものなので続けて見るのが正解。

 

この作品がはじまる前にまず抱いた印象は、「落語なんてアニメになるのか?」ってことだった。

それまでの落語のアニメなんて「じょしらく」しか思い浮かばなかったからw

 

 

でもそんな心配もきれいに吹き飛ぶ、素晴らしい作品だ。

 

個人的には歌丸師匠の前に出しても、決して恥ずかしくない、むしろ新しい落語の可能性も提示することができたんじゃないかなあと思ったりするんだけど、落語のらの字も知らない素人が生意気だろうか …。

落語をアニメで見せる強み?

まず、もちろん噺家のお話なので落語はかかせないんだけど、その落語をどう見せるのかって部分には大いに興味があった。もちろん不安というか、疑心暗鬼な部分はあったけど。

 

 

でもこれが実にすごくて、落語をここまで直球でやってみせるとは思ってなかったのでちょっと驚いた。

もちろんただダラダラと話すシーンを見せる訳じゃなく、アニメだからこそのカット割りとか、音とかの演出、さらに声優さんの力が一体になって見事に仕上がった落語シーンをたくさん見れる。

 

もちろん落語ファンがこのアニメの落語シーンを見てどう思うかは分からないけど、少なくとも普通に本物の落語を見るのとは全く違う、そしてもしかしたら普通では見ることができない、リアルな落語家さんの姿なのかも?と思わせる姿が細かく描かれる。

 

(出典:YouTube KING RECORDS

 

1期、2期ともに落語シーンはあるんだけど、例えば2期の2話、緊張する与太の落語シーンの不安感の演出。

画、カット割り、音、BGM、それぞれが合わさって絶妙なテンポとリズム感で焦りや不安感を徐々に大きくしていくような、見てるこっちが逃げ出したくなるような恐さ…

 

本来笑わせるためにある落語でも、不安を掻き立てるようにも描ける、様々な要素を使って別の「感覚」にも訴えられる、アニメとして見せる意味はこんなところにもあるんじゃないかな。

自分の感覚のような錯覚

そういう意味ではこの作品はそういう「感覚」の部分が味になってるような、不思議な作品でもあると思う。

OPからそうだけど、全体を通してJAZZの匂いがする作品で、落語とJAZZの取り合わせがこんなにマッチするもんなんだなと心地良かったりもするし、

 

2期7話に生前の助六のフィルムが見つかって温泉宿で見るシーンがあるんだけど、与太郎の感覚と同化して、自分も本当に憧れの人物に出会った様な、幸福な感覚にさせられる。

衝撃の展開もあったりして与太郎の感情がリアルな「自分の感覚」になって、そうしたものを経ての8話の与太郎の「芝浜」は、聞いていてすごく泣けてくる。

 

(出典:YouTube KING RECORDS

 

そして2期11話、この回はまさに「浮世離れ」してるんだけど、とにかく美しくて、切なくて、暖かくて、感動的で素晴らしい。

楽しそうな八雲師匠や、やさしく声をかける松田さん、色んなことがあった2人の姿を見てとても心が暖かくなる。

 

アニメは1期、2期と2クールに渡って、八雲師匠の幼少のころからおじいちゃんになって亡くなるまでの波乱万丈の姿を描く。

こっちはその姿、様子を「死神」ではないけれど、神様的視点で俯瞰してきたことで、同じ時間を共有してきた様な、自分の記憶の様な「感覚」として知っているから、「ああ色々あったけど、八雲師匠、良かったねえ」と感動してしまう。

 

 

一方、現世では八雲師匠の闇というか、影みたいなものが最後の方までつきまとって、どこか不安要素が残っている中で、最終話の与太の「死神」のシーンは一瞬「へ!?ま、まさか!?」とドキッとするんだけど、結局大団円的な終わり方でスッキリするw

最後まで不安な感じも残しながらの清々しさという不思議な感覚も面白い。

 

昭和という時間を共有する感覚

この作品はテレビアニメとして2クール25話分あって、まとめて見るとなると実際に長いんだけど、1クールずつ見ても長く感じる。

 

ただこの長い感覚は、だらだらとつまらない長さ、ということではなくて、実際に登場キャラの歩む長い時間を丁寧に見てる感じの時間感覚。

 

そして逆に2時間くらいの中身の濃い映画を見てる気分になったりもする不思議な感じ。

短いようで長く、長いようで短くも感じる、とにかくそういう時間の感覚も忘れて物語に没頭してしまうような、素晴らしい作品に仕上がってると思う。

 

第一期のダイジェストが公開されてるので「ネタバレ」でもいい人はどうぞw

(出典:YouTube KING RECORDS

 

色んな年代、状況、人間関係、愛情、友情、色んなものが入り混じっているのもあってかすごく重厚な感じもあったり、扱っている題材が落語ってこともあって粋や義理人情とかも濃厚だったり、ドロ臭くもあり、レトロモダン的でもある昭和の匂いとかもノスタルジック。

 

昭和から平成になったのは自分が高校生の頃だから、昭和を生きてきたとは胸はっては言えないんだけど(いや、はらなくてもいいけど)、めっきりスマートでオシャレになりきった現代に比べて、昭和の匂いが残った当時は色んな物が今よりももっと濃厚だったような気がする。

 

もちろんそれは個人個人の生きている時間やら状況やらにも左右されるのかもしれないけれど、掴みどころのない空気や感情、一人ひとりの心までもが濃厚で、そういうドロドロとしたものをぶつけあうことさえも、みんな寒くもなくイタくもなかったんじゃないか、って感じてしまう。
美化?してるだろうけど。

 

そういう意味では、ノスタルジーに浸りながら見たりするオッサンと、現代を生きる若い人とでも、このアニメの印象は違ってきたりするのかな?と想像すると、そのへんもちょっと面白いなと思う。

落語家?噺家?

そもそも落語ってものにあまり縁がないというか、あまり興味もなかった。

正直その感じはこのアニメを見た後も変わる訳ではなく、落語自体にすごく興味が湧いた!という感じはない。

 

ただふと思ったのは「落語家」と「噺家」って呼び方の違い。

もちろん落語自体全然知らないので、この二つの呼び方の違いが分かるはずもないんだけど、この「昭和元禄落語心中」を見ていて勝手に納得してしまった部分がある。

 

それは「噺家」というか「話し家」だったのかな?と思ったこと。

 

「落語」はその名の通り「オチがある語り」、お笑いとしての認識だったんだけど(オチが笑いとするなら)、演目の中には笑いのない話もあって、例えば八雲師匠の「死神」は幼少期の小夏が震え上がるほど怖いお話だ。

一方助六の「死神」は辛気臭くない面白いお話。

 

つまりはそういうことで、昔、娯楽の少なかった時代に、笑いだけではなくて、悲喜こもごも、色々なお話を聞かせて楽しませる、そういう「話し家」がはじまりなのかな?と。

何度かそういうなんの笑いもない落語を偶然テレビで見たことがあって、「???なんなんだこれは?」みたいに思ったことがあるんだけど、深く考えたりもしなかった。

 

そんな漠然とした疑問をなんとなく解釈できた気がした。
(もちろんなんの根拠もない勝手な個人見解なんだけど…)

 

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日本の伝統芸の底力

このアニメ「昭和元禄落語心中」は「落語」という伝統芸能を主題に描かれてるんだけど、上でも書いたようにアニメ作品としてすごいと思わせられて、ある意味日本の伝統芸的なアニメの技術も堪能できる。

そして何より忘れてならないのが、声優さんの凄さ

 

登場キャラ達のCVはそうそうたるメンバーで、アニメに関係なく1度は聞いたことのある声だと思う。

そして恐るべきはやっぱり山ちゃん、山寺宏一さん。
この人はほんとにすごいと思う。
ちょっとおかしい(いやもちろん良い意味でw)

 

(出典:YouTube KING RECORDS

 

また、この作品では小林ゆうさん演じる「小夏」の落語シーンもあって、それも楽しめる。

(出典:YouTube KING RECORDS

 

「落語家」が話すことが仕事なら、「声優」もある意味話すことが仕事な訳で、落語の中で色々声色を変えて登場人物を使い分けたりするけど、これなんてまさに声優さんの仕事な気がする。

 

そういう意味では演じる声優さん達もこの作品は気合が入ったんじゃないのかなあと想像する。

真っ向勝負じゃないけれど、小細工なしの直球の技術が求められると思うから。

 

そしてアニメ(ーター)見本市でもタッグを組む?林原めぐみさん。

上の方に載せた第一期のオープニング曲のカッコ良さもそうだし、第二期のOP曲にしても歌手としても超一流で、作中の「みよ吉」さんの艶っぽさとオーパーラップして超しびれる。

(出典:YouTube KING RECORDS

 

最近は声優人気もすごくて、目指す人も増えてるみたいだけど、そういう人たちにとってもこのアニメ作品「昭和元禄落語心中」は参考書としてマストなものになるんじゃないかなと思った。

 

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偉大なる芸人を偲ぶ

という訳で、今回は「昭和元禄落語心中」の感想を書いてみた。

見終わった後で知ったんだけど、原作の雲田はるこさんはBL系の作家さんだそうで、言われてみれば、ああなるほどとも思えるw

 

ただ個人的にはBL系は絶対無理な部類なので、それを知らずにこのアニメに出会えたこと、変な先入観なしに見れたことが本当に良かった、と心から思った。

八雲も助六も与太郎も、本当に粋でいなせでしびれるから。

 

そして、落語は知らなくても桂歌丸師匠は知っている、という人は自分含め多いことだろう。

 

落語が好きな人はもちろん師匠の落語を聞けばいいし、落語は分からないけどアニメが好きだとういうアニメファンは、この「昭和元禄落語心中」を見返して偉大なる芸人、桂歌丸さんを偲んでみるのも追悼の方法としてありなんじゃないかなと思った。

 

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刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の「死神」が忘れられず、出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。拝み倒して八雲の住み込みの弟子となった与太郎だが、八雲の元では小夏という女性が暮らしていた。八雲と小夏には他人が容易に触れられない因縁があるらしく・・・。

 

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