『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』はルパン三世前代未聞の切れ味!

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最近はアニメレビューで2017年4月クールの作品を紹介してるとこなんだけど、今回はちょっと別の作品を挟んでみた。

というのは、金曜ロードショーでアニメ化50周年特別企画として「みんなが選んだルパン三世」なんてのがやってたので、「ある意味この作品でしょ!」って思って。

 

同時にふと思ったのが、この『LUPIN THE IIIRD』シリーズを知らない人がいるんじゃないか?ってこと。

だとしたら『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』も知らない… だと?
それはあまりにももったいない、この世に生まれた意味がない…

 

…いやホントに、そう言っても言い過ぎじゃないくらい、めちゃくちゃしびれる作品なので、今回はこの作品を思いっきり紹介してみる。

 

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ハードボイルドっぷりに注意!

とは言えまず注意しておきたいのが、「ルパン三世」と聞いて、楽しい、面白い、やさしい、そんなルパン三世像をイメージする人は気をつけた方がいい。

この『LUPIN THE IIIRD』シリーズはそういう「いつものルパン三世」とは一線を画す「ハードボイルドなルパン三世」だ。

前作として『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』、次作として『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』という作品があるんだけど、特にこの『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』はバイオレンスささえ漂う超本格派作品なので、「いつものルパン三世」感覚が好きな人にはトラウマになるかもしれない。

 

 

描きたくても描けなかった?石川五エ門像

ルパン三世の五エ門と言えば、斬鉄剣をヒョイッと一閃すれば全てのものが一刀両断、みたいなイメージがあるけれど、この作品では「斬る」所作もしっかりと丹念に描かれている。

 

冒頭、五エ門がヤクザの用心棒として登場し、組長に放たれた銃弾を斬るシーンがあるんだけど、個人的にしびれたのはこの後の動き。

敵の拳銃を切る所作が、「ヒラ」「ヒラ」と返す刀で2回切るのだ。

このシーンを見た瞬間にもう、「この作品はスゲェ…」と鳥肌立ってしまったのだw

 

この作品で描かれるのは、どこかファンタジー的な五エ門ではなく、リアルな剣豪、孤高の剣士としての石川五エ門の姿だ。

一番見たかった五エ門だと思うし、一番見れないとも思っていた五エ門だと思う。

なぜならそれは描いちゃいけないという暗黙の了解みたいなものがあるからだ。

 

最近でこそ時代劇は見なくなったものの、日本人であれば必ずどこかで殺陣のシーンを見ているはずで、慣れ親しんでいるからこそ残酷さを感じないし、もっと言えば「残酷であってはならない」のだ。

でもカッターやら包丁やらで指を切ってしまったりしたことがあるはずだ。
ならば想像してみよう。

斬って、斬られての痛くて残酷な、恐ろしい光景が昔は現実としてあったのだ。

そんなおぞましい光景を国民的アニメのルパン三世で描くなんて、あっていいはずがないじゃあないかw

 

『血煙』というタイトルの妙

そんなタブー?を乗り越えて描かれたこの『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』

もちろん残酷なシーンがあって、PG12指定もされている。
ただ、もちろん描きたかったのはそこではないはずだ。

『血みどろの石川五エ門』ではなく、『血しぶきの石川五エ門』でもない。

 

『血煙の石川五ェ門』だ。

 

血しぶきがパーっと風に流れ、赤い霧の様になった血煙の中に静かに佇む五エ門の様な、恐ろしくも、どこか美しささえ漂う石川五エ門。

そんな姿じゃないだろうか。

 

こっちのルパン?が好きな人へ

前置きからめっさ長くなってしまったのであらためてPVをw

 

(出典:YouTube Showgate公式【HDYMaP】

 

まずは上のPVを見て、「こっちのルパン三世」が好きな人は好きかもしれない。

つまり、ファーストシリーズと呼ばれる『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』とか劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』とかが好きな人。

もちろんテレビシリーズの『LUPIN the Third -峰不二子という女-』が好きって人も。

 

描かれる時代背景としても、wikiに以下の様にある。

「時系列上はTV第1シリーズ第5話「十三代五ヱ門登場」直後の、ルパン三世と五ェ門が信頼関係を築いていない頃で、時代設定は「1960年代後半の下田市の辺り」「前作から1カ月後の日本」となっている」

(出典:wiki LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門

 

この時代背景がまた作品に重さを出していて、風景とか車やバイク、パトカーとか、五ェ門がヤクザの用心棒として登場したりもあって、「仁義なき戦い」とかの昔の日本映画のような重厚な世界観も漂っている。

 

「前作から1カ月後の日本」ということで、ルパンと次元は意気投合して行動をともにしてるし、不二子も近くにはいるんだけど、五エ門はファーストシリーズの流れの立ち位置、というのもすごく魅力的な設定だ。

 

五エ門好きでも意見が分かれるところかと思うんだけど、個人的にファーストシリーズの、まだサブキャラ的な立ち位置が好きだったり、大塚周夫さんの悪役っぽい声の五エ門も好きだったりする。

なのでこの設定は個人的に感情移入しやすい。

 

一匹狼的な「個」としての魅力

この『LUPIN THE IIIRD』シリーズ、オープニングがすでにハードボイルドで、モンキー・パンチさんのコミック版ルパン一味や銭形警部の姿ですでに気持ちが上がってしびれる。

 

子供の頃から楽しくて面白いルパン三世に親しんでいたから、はじめてコミック版を読んだ時の違和感はハンパなくて、正直好きになれなかった。

でもいつの頃からか原作っぽいルパンとか(読んではいないけど)、ハードボイルドなルパン、「悪党」としてのルパン三世のカッコよさに惹かれるようになった。

 

この『LUPIN THE IIIRD』シリーズの3作品(テレビシリーズ『峰不二子という女』含め?)の魅力は、なんと言っても「個」としての魅力だと思う。

 

 

「ルパン一味」ではなく、アルセーヌ・ルパンの孫、人だって殺す大泥棒のルパン三世や、殺し屋次元大介、石川五エ門、盗賊かスパイか分からない謎の女峰不二子、そしてルパンを逮捕するべく執念を燃やす銭形警部。

まだまだ「一味」や「ファミリー」として信頼関係を築いていない、下手したら裏切り、殺し、みたいな一触即発な若く荒々しくもある姿。

 

そういう緊張感が、一匹狼的な、それぞれ孤高な存在としての「個」を引き立てる。

 

実際この作品中でもルパン達と銭形警部もかなり敵対していて、ルパンは銭形警部に裏拳を食らったり、次元は銭形警部を「お前」呼ばわりしたり、挙げ句五エ門には「死ぬ気でこい」と刃を向けられている。

そうした緊張感も空気を底上げして、この作品を硬派な本格アニメにしている。

 

凄まじい石川五エ門がもたらすカタルシス

本編の凄さはなにより見てもらうのが一番!

…ではあるんだけど、それ言ったら身もふたもないのでw

 

この作品は文字通り石川五エ門に徹底的にフォーカスして、キャッチコピーの「未熟なり、五ェ門…!」の様に、驕る五エ門や情けない五エ門、打ちひしがれてボロボロの五エ門、

そしてひたすら己に向き合い、極限を迎えてついに孤高の剣士として覚醒する石川五エ門の姿が描かれる。

 

 

この覚醒した五エ門が凄まじくて、50人斬りという今までのルパン三世シリーズではありえない、前代未聞のシーンがある。

まさに人斬りとしての石川五エ門で、恐ろしくも美しい「斬る」という動きをリアルに描いたシーンだ。

 

この動きが、「ズバッ!」とか「ザシュッ!」的な感じじゃなく、「スッ」とか「シャッ」「ヒュッ」みたいな、まさに風が流れる様な動きで、五エ門自身が鋭く切れる刃物のよう。

 

見てる側にしてみれば、ここまでいまいちかっこ悪い五エ門の姿を追って来たこともあってか、「見えた!」から50人を斬り倒し、組長に一言言い放つクールな五エ門の姿に、呆気にとられつつある種のカタルシスを味わうw

 

そしてこの開眼の後、「バミューダの亡霊」と異名を持つ怪物のような敵と相対し、まさに最強の剣豪石川五エ門として結実する。

 

『ルパン三世』作品としての粋

この「バミューダの亡霊」ホーク(モデルはスタン・ハンセンw)が、とんでもない男で、こんなやつどうやって倒すんだよって思いながら見ていくんだけど、やっぱり最後は五エ門との一騎討ちで殺されるんだろうと予想する展開になっていく。

そうなると肝心なのはどんな形で殺すのか、決着をどう描くのかってことに意識が向いていく。

 

ところが、殺さない(!)のだ。

 

いや、ある意味殺すのだ、それもしっかり描かれてるんだけど、殺さない殺し方、まさにこれこそ「殺さずの剣」という形で終止符を打つのだ。

完全なる決着であり、かつ石川五エ門の最強なる姿を描いて。

 

いくらネタバレレビューでも、ここだけは書かない。書けない。

 

一瞬物足りなさ?を感じ、次の瞬間

「あぁ!!まぢかー!!すげぇー!!そう来たかー!!」

って感覚を存分に味わって欲しいw

 

この作品は全体的に血なまぐさい感じで展開するんだけど、最後はやっぱり「ルパン三世」らしいオシャレな終わり方を見事に描いてくれる♪

粋だねぇ。

 

激推し!見れ!

という訳で、今回のアニメレビューはいつものTVアニメの紹介と違い、イレギュラー的に?『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』の感想を書いてみた。

『LUPIN THE IIIRD』シリーズは3作品ともホントにカッコ良くてしびれる。

 

ただ、他2作はテレビでギリいけるか?と思えても、この『血煙の石川五エ門』は絶対に放送できない作品て気がするので、自分で手を伸ばさないと見れない!

 

そんな五エ門は見たくない!ってことならいいんだけど、本当に強い、最強の剣士としての石川五エ門が見てみたかった人には激推しなのだ!

 

だから手を伸ばせ!
見れ!

 

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伊豆沖を進む賭博船。若き用心棒・石川五ェ門は敵対する組から襲撃を受けた鉄竜会の組長を救うが直後に大爆発が起こり船は大破してしまう。船を炎上させたのは

 

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本ページの情報は2021年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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