『アリスと蔵六』はアニメ制作陣に脱帽の高ポテンシャル作品【レビュー】

当ブログはプロモーションが含まれています

2017年4月クール作品を紹介してる超遅アニメレビュー。

『レクリエイターズ』『サクラクエスト』に続いて、今回は『アリスと蔵六』を紹介してみる。

 

今回もネタバレはネタバレなんだけど、今回の場合ストーリーのネタバレというよりはこの作品の構成というか、ポテンシャルの高さ?みたいな部分のネタバレなので、ある意味その肝心な部分が味わえなくなる恐れがある。

なので、この『アリスと蔵六』を未視聴で、これから見てみたい人はアニメを見る前にこの記事を読まないことをおすすめする。

スポンサーリンク

1クールアニメとは思えないポテンシャル

という訳で、ネタバレ上等の人に向けてw

まずは第一弾のPVを見てみてほしい。

(出典:YouTube BANDAI NAMCO Arts Channel

 

次は第二弾のPVだ。

(出典:YouTube BANDAI NAMCO Arts Channel

 

この2つのPV動画、同じ作品なのに全く違う印象を受けないだろうか。

 

いつもアニメチェックする時はPVをチェックするんだけど、以前に比べて作品数が多くなってきてるのもあって、最近は(と言ってももう4年前だけどw)あまり細かくは見ずに第一印象で見る見ないを決める。

この『アリスと蔵六』は最初の、第一弾PVだけ見て「これは見てみよう」と決めたんだけど、実は本編を見るまで「ほのぼの日常系」のアニメだと思ってた。

 

コトリンゴのEDがBGMってこともあって「ほんわか系」間違いなしって感じじゃない?w

いや、でもそれも間違ってないとも言えるのもまたこの『アリスと蔵六』というアニメ作品なのだ。

 

なにを言ってるのか意味が分からん!

と思われるかもしれないので説明すると、このPVの印象の違いは本編にも通じてて、例えば、1話だけ見た人、6話だけ見た人、11話だけ見た人で全く印象が違って見えるんじゃないだろうか。

 

たった1クールの中でそれくらい印象を変えつつ、それなのに12話のラストで綺麗に収束して「あーなんか良かった♪」と思える作品、というすごいポテンシャルの高さを秘めた作品なのである。

 

prime video にストックあり(・∀・)b
Amazon.co.jp

 

アニメ『アリスと蔵六』制作陣に脱帽

この『アリスと蔵六』は「第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞」という賞も受賞している今井哲也という方の原作がある。

いつものように原作は未読ながら、とても魅力的な作品なのは分かる。

ただ、「アニメとして」の 『アリスと蔵六』の成功(何を以て成功かはそれぞれなので、あくまでも個人的見解として)は、「J.C.STAFF」の方々などアニメーション制作スタッフさんの力がすごく大きいと思う。

 

wiki の概要を見ると分かる通り、アニメではコミックスの4巻分を広く浅く拾い上げてる模様で、1クール12話、初回は60分なので、正確に言えば13話の作品として収めてる。

作品を見てみれば分かるように、ほのぼのした感じやらエスパー要素やら、萌え要素、バトル、癒やし、友情、家族愛、真理、などなどふんだんに盛り込まれた作品。

それをチープになり過ぎず、説明臭くもならず、事前情報が全くなくても楽しめる作品にスマートに仕上げてるという…。

 

そんなの普通でしょ?と思う人もいるかもしれないけれど、1クールの作品でこれを実現するのは実はすごいことで、しかも原作がある作品ならなおさらってのは、アニメ好きの人なら分かるはず。

漫画原作、小説原作、ゲーム原作など原作となる題材は色々だけど、原作を知らない人にどう見せるのかは重要な部分で、アニメ作品としてしっかり完成させるなら、「あーこれ原作ならちゃんと描かれてるんだろうなぁ」とか「はぁ?これ原作もこんな感じなの?」とか思わせたら「負け」なのだw

 

もちろん、「アリスと蔵六」の漫画原作のファンの人がこのアニメ版を見てどう思うのかは分からないんだけど、一人のアニメファンとしては素直に「なんか良かった♪面白かった♪」と思えたし、『アリスと蔵六』という作品の魅力も十分に感じることができた。

とにかく、これだけバラエティに富んだ内容の作品を様々に場面展開してるのに関わらず、ストレスフリーに楽しめる作品に仕上げてるのはもう、アニメ制作に関わる方々に脱帽するばかりなのだ。

 

世界をずっと見ていたくなる

と、ここまで『アリスと蔵六』のアニメ作品としてのポテンシャルの高さについて書いてみたんだけど、内容についても少し触れてみる。

 

このアニメ版『アリスと蔵六』を見ると分かるように、主人公「紗名」の救出に関するパート、まったり平和な日常のパート、「アリスの夢」という異能力絡みのパート、とザックリ3つのパートに分かれてる。

もちろんアニメ制作陣が勝手にストーリーを作り変える訳じゃないから、この辺りの展開自体は原作でもある程度スッキリしてるのかな?と思う。

 

 

このスッキリ具合がある意味「拍子抜け」するくらいの感覚で、例えば紗名を連れ戻しに来る者達との戦いは5話で終わり、紗名を捕らえたミニーCは助けに来た一条に圧倒的にやられて国に帰国(笑)、研究所はあっさり解体(笑笑)、しかもそれらがサクッと描かれるだけで6話からはめちゃくちゃ平和な日常がはじまる(笑笑笑)

 

普通なら「(゚Д゚)ハァ?…」みたいに怒りさえ湧いて来そうなんだけど… そういう感情にならないという不思議さ…

これは一体なんでなんだろう、と…

「これでこのパートは終わりですよ」みたいのがはっきり感じられるから、よくある恨みを抱いてるキャラクターが復讐にくる、みたいな気配が全く感じられない様な空気感は確かにあるんだけど…

 

こうだから、って答えが出なくて「優しさに溢れてるからかなぁ…」とか、ちょっと恥ずかしくなるようなふんわりした答えしか出てこない…w

 

紗名の純粋さや蔵六の安心感、他のキャラクターも、さらに悪役もそれほどひどく描かれてなかったり、とにかくバトルでさえ見てる側の心がざわつくことがほぼないのだ。

このことが、普通なら「つまらない」に繋がるパターンが多いと思うんだけど、この『アリスと蔵六』の場合、それに勝る要素があるからそうならない。

それこそがこの作品に溢れてる「優しさ」なのだ。

 

世界を知りたい紗名と厳しくも優しく包む蔵六、家族として妹のように可愛がる早苗、紗名を守る内藤や一条雫、親友と慕うあさひやよなが、魔女になってしまったと胸を痛める羽鳥や救おうとする歩、そして「カッコいいお姉さん」などなど、ほんとにみんなが優しさに溢れている。

特に「カッコいいお姉さん」とのシーンはなんか感慨深くて、ジーンと感動してしまう。

 

もちろん優しさを感じる作品は他にもたくさんあるんだけど、この『アリスと蔵六』のように上の方で書いた色んな要素がちょうど良くバランスしている感じってあまりないんじゃないかな?

そしてその優しい世界が嫌味にならず、むしろその世界をずっと見ていたい、そんな気分にさせるのだ。

 

これは多分原作の、というか原作者今井哲也氏のチカラなのかなあと思う。

 

温かくなれるアニメが見たい人に?

という訳で今回は『アリスと蔵六』についてレビューしてみた。

 

なんかこうして書いてみても全然面白くなさそうなのに、なぜか見てしまう。
めちゃくちゃ熱くなるでもなく盛り上がるでもないのに、なぜか惹きつけられる。

そして見終わって「あぁなんか良かったなぁ♪」と思えるという、なんとも不思議な魅力がある作品なので、未視聴で興味のある人は是非見てみてもらいたい。

あんまり小難しくなく、温かくなれるアニメ作品が見てみたいって人にはもちろんオススメだ。

 

この『アリスと蔵六』が好きになったら、OPやBGM聞いただけで鳥肌立って、なんかワクワクしたり泣きそうになったりしてくるよw

Amazon.co.jp

 

ORESAMA / ワンダードライブ -MUSIC VIDEO- (TVアニメ『アリスと蔵六』OPテーマ)

(出典:YouTube Lantis Channel

 

視聴はAmazonで(・∀・)b
Amazon.co.jp
【U-NEXT】ではマンガのみ(T_T)
U-NEXT

コメント

タイトルとURLをコピーしました