【S.M.H.】今でも色あせない造形師、アーティスト達の競演

雑誌【S.M.H】

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約20年前、「S.M.H.」という雑誌が存在してた。
創刊号は1995年、平成7年の9月だ。

と言っても、自分でもリアルタイムで買ってた訳じゃない。
その存在すら知らなかったほどだし。

どういう経緯でその雑誌を知ったのかは覚えてないけど、その雑誌の存在を知って、夢中でかき集めた。

もう10年以上前だろうか。

古本屋を回ったり、ヤフオクでゲットしたり、とにかく探しまわった。

「S.M.H.」と言ってもアッチ系の本ではない。
いや、そういうのもたまに載ってたりしたけどw

「Sensational Modeling & Hobby」の略で、ホビージャパンのスペシャル版?みたいな感じの雑誌だ。

 

Sensational Modeling & Hobby まさにセンセーショナル?w

 

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スペシャルな価格とか、ちょっと時代を先取りしすぎたのかも、とか

この「S.M.H.」、今と比べても値段もちょっとスペシャルな1500円オーバーとかなんだけど、最初は半年、のち季刊になったようだったので、それを考えれば安かったのかもしれない。

しかしながら、自分の調査に間違いなければ2000年8月号を最後に休刊、復刊されることもなく、事実上廃刊になっているはずだ。

 

裏の事情は分からないけれど、当時のこの価格設定でちょっと無理があったのかもしれないし、今考えてみればすごい人達のオンパレードながら、当時の注目度がどうだったのかもちょっと分からないから、結果的に「早すぎた」って感じなのかもしれないな…

 

もちろん自分の場合は古本なので、基本的には定価よりも安く入手したんだけど、号数によってはプレミア価格になってるものもあったと記憶している。

まぁプレミア価格と言っても定価よりちょっと高い、とかの範囲だし、雑誌ではあるけれど、「作品集」と謳ってもいいくらい?ある意味豪華なものなんだけどね。

 

フィギュア、造形、豪華作家陣!「ソッチ系」?スーパースター達の競演!

でこの「S.M.H.」、とにかく自分にとってドストライク、ど真ん中のどハマりだった。

フィギュア、ジオラマ、イラスト、まんが、ショートストーリー、コラム、などなど幅広く、フィギュアとかジオラマと言っても、どっちかと言うと”アート”とか、無骨に言えば モロ”造形” とか言う感じ。(分かりにくい?)

 

なにはさておき掲載してる作家陣がすごくて、

安藤賢司、韮沢靖、竹谷隆之、寺田克也、山田卓司、亀井潤、鬼頭栄作、MAX渡辺、雨宮慶太、沓澤龍一郎、荒木元太郎、矢沢俊吾、芳賀一洋、岸啓介、

などなどの他、スポット的に

塚本晋也、四谷シモン、天野可淡、トレヴァー・ブラウン、H.Rギーガー

とかも登場してた。

 

まさに、「ソッチ系」が好きな人にとってはスーパースター級の造形師やモデラー、イラストレーターなどなどの作家陣が作品を載せていたのだ。

(クリックでデカい画像&スライド)

S.M.H HRギーガー S.M.H エイリアン

S.M.H 四谷シモン S.M.H 天野可淡

S.M.H 日野日出志 S.M.H 地獄少女

↑ 最終号では日野日出志とリアル「地獄少女」というマニアックぶりw

 

作品はもちろん、オタクなコラムとかも好きだった。
(「映画秘宝」のコラムも好きだったんだけど、HIHOはいわゆる「切株」ものの紹介ばかりなのでうんざりして買うのやめた…)

 

とにかくこの「S.M.H.」には相当にしびれた。

それまでに知ってた程度のフィギュアやジオラマなんかとは全然別物な気がしたし、読みものやイラスト、まんがなんかもどこかマイナーな、サブカル的な匂いがしてとても魅力的だった。

 

S.M.H 竹谷隆之 S.M.H フィギュア

 

でも、バックナンバーをかき集めてる時点でやっぱりすでに思っていたことは

 

しびれ太
しびれ太

これは早すぎただろうな…

 

ってこと。

とにかく素晴らしい作品群が満載なんだけど、それを受け入れるだけの土壌のようなものはできていなかったんじゃないかなと想像した。

消えてこそ異彩を放つもの?

どうして廃刊になってしまったのかは分からないけど、最終号近辺は「メジャー誌臭さ」みたいなものも感じる作りにはなっていた気がする。

 

それが良いか悪いかは別にして、創刊時のような「タブーに挑戦」的な泥臭い雰囲気とか、コアな匂いは薄らいでいたような気がしたし、

少なくともそういう匂いを察知する人には面白味は減ってしまってたんじゃないかなとも思った。

 

今だったらもっともっと人気も出たんだろうかとか、今復刊したらどうなんだろうかと考えてみると、見たい気持ちはある反面、やっぱりちょっと違う感じもあったりする。

変な考え方かもしれないけど、終わるべくして終わったというか、そうやって終わったことでより異彩を放って輝いているというか、そんな存在のような気もする。

 

どっちにしても、今も昔もそうなのかもしれないけど、今の時代は特に、マイナーなもの、サブカル的なものに触れたいと思ったら、実際にどこかに足を運ぶ方が魅力的なものに出会えるのかもしれない。

なにしろ今はネットで検索すれば大概のものはヒットするけど、そもそもネットはすでにメジャー臭がするものだし。
(若い人にはそんな感覚すらないだろうけどw)

 

そういう “匂い” に敏感そうな人は、逆にアナログ路線で脇道にそれてやってる気がする。

作家さんのホームページが全然更新されてなかったりするのもよく見るしw

 

でもやっぱりこういう雑誌がまた現れて欲しい気はする。

 

S.M.H 漁師の角度 S.M.H 竹谷隆之x韮沢靖

↑竹谷隆之さん、韮沢靖さんはじめ多くの作家さんを知ったのもこの雑誌のおかげだったと思う。

 


この記事を書く際、ネットで調べ物をしていて韮沢靖さんが亡くなられたことを知りました。

その世界観、キャラクター、イラスト、造形、まんが、ここで紹介した「S.M.H.」でも贅沢なほど数多くの作品が紹介され、それらにとても魅せられ、わくわく、ぞくぞくしました。

そういう時間を頂けた事に感謝するとともに、心からご冥福をお祈りします。

 

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